この記事は「ふるよにデッキ辞書」の19-23「棹算(メグミ/アキナ)」のページです。
この記事はシーズン9の情報を基に書いています。
- 棹算の個人的印象/ひとことエピソード
- 唐棹の基本情報
- 棹算の長所/できること/小ネタ・テクニック
- 棹算の短所/注意点
- 棹算の構築例「最小限御明算構築」
- おわりに/スペシャルサンクス/参考・関連文献リンク
棹算の個人的印象/ひとことエピソード
この記事は、シーズン9大規模で棹算(旗)を握った会長さんと共同で執筆しています。
ikari「棹算といえば?聞きかじったことがあるんだけど、守料術に種結晶を乗せるのが強いんじゃないの??」
会長さん「ウーン!それ実は弱いってことがわかっちゃったんだよねー!」
という会話が起きました。草。
どうやら「種乗せ守料術」っていうデッキは、面白いコンボではあるものの、そこまで強くないようです。(大型切札が受かっていないんだそう)
今回、面白ギミックデッキというよりは、しっかり組んでガッチリ動ける構築と詳しい立ち回りを教えていただいたので、皆さんにもご紹介します。
唐棹の基本情報
その前に…
今回のメグミアキナのデッキ紹介は、メグミ寄せのデッキ構築となります。
メグミの理解が欠かせないので、改めてメグミの説明をしていきます。
(初心者用情報)メグミ(棹)の固有トークン(種結晶)について
棹を宿すにあたって知っておきたい前提知識です。
棹は固有トークンとして種結晶を5つ持っています。種結晶は通常では土壌にあり、土壌の種結晶は何の効果もありません。
自分が1つ付与札を展開するたびに、土壌にある種結晶を1つ萌芽状態にします。
萌芽した種結晶は桜花結晶の代わりに付与札に置くことができます。
(例:納3の付与札に桜花結晶2つ、種結晶1つ置くことができる)
また、「生育」とある付与札には通常の納に加えて「生育:〇」の丸の分だけ萌芽している種結晶を置くことができます。
(中級者用情報)種結晶とは
種結晶とはいったい何でしょう。
その答えは「生育」と書かれたカードにあります。早速見てみましょう。
鳳仙花:納1種1で3-5 2/1攻撃、納1種2でさらに1-3 2/1攻撃
葦 :納1で1離脱、納1種1で2離脱、種2で3離脱
掌 :種1~で毎ターン初めの攻撃+1/+1
つまり、種結晶を置くごとにそれぞれ「2/1攻撃」「1離脱」「+1/+1バフ」が乗ります。これ、どこかで聞いたことありませんか?
そうです。嵐の力です。
つまり、種結晶は付与札で上昇する「疑似風雷ゲージ」です。
当然種結晶の利用方法は他にもありますが、棹の強い動きをするにあたって欠かせない考えなので覚えておくといいでしょう。
すると、1ターン目種1鳳仙花展開が、如何に弱い動きなのかがわかると思います。
また、例になりますが、ホノカ(旗)の「指揮」に殻打ちで生育2を付与し納3種2を置く動きもありますが、実はあまり強くないことが分かります(相手ターンに攻撃が出ないため、種結晶を1つ分無駄にしています)。
デッキ内に付与が2枚(例:葦・鳳仙花のみ採用)の場合、特に種結晶の運用を厳しくしていかないと、リーサル時に後悔することになります…。
その点、棹算のデッキ構築では葦・鳳仙花・直接金融の付与3枚採用となるため、2巡目には種結晶を溢れさせることができます。溢れる種は適宜葦や鳳仙花に乗せたり、萌芽種結晶を5つにして空閃を3/2にしたりと、「疑似嵐の力」を存分に利用できます。
棹を宿すならば、ぜひ種結晶運用技術を磨いていきましょう。
棹算の長所/できること/小ネタ・テクニック
中距離以遠において強く、できる動きが豊富にある
メグミとアキナの攻撃の適正距離は、おおよそ4-5で一致しています。
また「空閃」は間合4-8という遠距離を含めた広い間合で振れるのと、付与札である「直接金融」と間合0-7で開けられる「源上安岐那の御明算」はほとんど間合を選びません。
自ら前進する必要がなく攻撃が振れたり、リソースドレインが行えます。
以上のことから、中距離~遠距離で強く、可能な動きが多いと言えます。
先手1ターン目の付与(直接金融、鳳仙花)は返しの相手ターンに結晶が落ちないため、次の自分のターンにダストを確保できる
付与札を展開するために自分のターンにダストが必要不可欠なメグミの、重要テクニックです。
先手1T目に付与札を展開することで、後手1T目は開始フェイズの処理をスキップする関係上、付与札の桜花結晶が落ちず、ダスト無しの状態でターンを渡せます。
すると、先手2T目に確定でダストを作ることができ、「次の付与札を展開する」「纏う」といった選択肢が生まれます。
掌の+1/+1バフが恫喝に乗らないことを逆手に利用できる
「枝・掌」を使用するとフレア6を消費します。つまり切札を先に使用すると、相手との資本差に勝てなくなってしまいます。リーサルターンに「恫喝」がある場合は、先に恫喝-/1を使用してから掌をスタートさせると、資本で優位を取れたまま「瀧河希の掌」をアクティブにでき、「打擲」などの攻撃にバフを乗せることができます。
棹算の短所/注意点
ダストが無くなると付与を置きづらくなり、強い動きがしづらくなる
「種結晶」というギミックがあるとはいえ、メグミにとって、ダストの有無は付与札の展開のしやすさに大きく影響します。
先述したテクニックのように、自分のターンにダストを作る工夫をすることが、強く立ち回る上で重要になります。
間合い0~1に居座られるとキツイ
メグミの「葦」「棹穿ち」、アキナの「算法」「盤狂わせ」等の下がる札は豊富にありますが、逆に言うと下がる札が手元に無いと、自分の攻撃間合に入れないということです。
間合いを詰められた場合、手札を3~4枚準備して動かないといけません。
準備する暇がないほど連撃されたり、下がるリソース(手札、オーラ等)を削られるととてもきついです。
フレア(リソース)破壊に弱い
アキナはともかく、メグミにはリソースを生む札がありません。
さらにメグミを軸にしたデッキをつくる場合、行動札を入れる枠はありません。
畏縮やハンデス等の細かいリソース破壊の積み重ねは、時に致命傷になりえることがあります。
リーサル時のバフが乗った攻撃を捌かれると負けてしまう
リーサルのタイミングで使用する、「瀧河希の掌」の+1/+1バフが乗った攻撃を、回避・打ち消し等で対処されると、勝てなくなります。
強力な打ち消し対応にとても弱いと言えます。(具体例:兜)
棹算の構築例「最小限御明算構築」
空閃、打擲、棹穿ち、葦、鳳仙花
恫喝、直接金融
可能性の枝、瀧河希の掌、源上安岐那の御明算
※参考文献にあるテトまるさんの構築と同じになっています。
S8→S9にシーズンが変化しデッキ構築を考えた結果、このままでも十分戦えるという判断に至りました。
※構築名は「アキナがサポートに入る棹算」という意図でつけています。
※仮想敵:薙刀等間合1~5に入らないとやることがない相手に用います。
算・銃・兜などが対面の際は、動きやデッキ内容ががらりと変わりますが、ここでは割愛します。
<序盤の立ち回り>
・先手1ターン目:「鳳仙花」or「直接金融」を使用。「鳳仙花」の場合は手札(恫喝or打擲or棹穿ち)を使って基本行動もする
・先手2ターン目:(直接金融を使用した場合)「鳳仙花」を使用。手札(恫喝or打擲or棹穿ち)を使って基本行動
(鳳仙花を使用した場合)集中を使って「直接金融」を使用
・先手3ターン目:直接金融投資(相場2→3)から「空閃」を使用。相場が3のため、事実上の2/2。2/1をライフ受けしたら次ターン回収。オーラ受けなら「葦」納1で1後退。
・後手1ターン目:集中を使って「直接金融」を使用。
・後手2ターン目:「直接金融」投資(相場2→3)から「空閃」を使用。相場が3のため、事実上の2/2。2/1をライフ受けしたら次ターン回収。オーラ受けなら葦納1で1後退。
・後手3ターン目:「鳳仙花」を適当に使用。「棹穿ち」を手札にキープする。
〇序盤に相手の間合いに入る動きをする必要がない。
「空閃」を打つために間合い8まで前進する以外は前進をしなくてよい。
〇1巡目に「恫喝」「打擲」「御明算」は基本的には使用できないと思ってよい。
<中盤以降の立ち回り>
・「直接金融」が使用できるならなるべく使用する。投資券はおまけなので隙を必ず守る必要はない。隙が割れなかった場合の破棄時効果1/0はフローに桜花結晶があるなら使用しても良いが、基本は使用しない。
・「御明算」の役割は、1宿し・ライフ回収・リーサルターンのオーラ回収。相場が1の時に開くこと。使用しすぎるとフレアが足りなくなるのでライフ回収場面以外では「御明算」で投資しないよう注意。
・攻撃と付与は必ずセットで使う。(空閃→葦など)
・種結晶を3個以上キープできるなら「鳳仙花」「葦」「直接金融」は場面に合わせて種結晶を使用しても良い。
・相手の同意のもと遠い間合いに居座る場合、種結晶を5つ萌芽させて「空閃」を3/2にする。オーラ受け→相手の資本が減るので恫喝が-/1で当たる。
・「棹穿ち」によるステップ回避はケアされるため、付与札を相手ターンに(なるべく)置いておき、回避目的ではなく相手の基本行動を阻害する札として使用する。うまく使用できると返しのターンに掌からリーサルを狙える。
・遠い間合いに居座ると相手は頑張って前に出ようとしてきます。
「†お疲れさまでした†」と言いながら「鳳仙花(結晶1種1)」「打擲」でお出迎えして差し上げましょう。お土産に「葦」を添えると相手は泣いて喜んでくれることでしょう。
<終盤の立ち回り>
リーサルが見えた瞬間に動き始めます。
メインのリーサル手段として、以下が挙げられます。
〇自分手札4枚(棹穿ち、空閃、打擲、自由)、フレア4~6
〇相手のオーラが5、間合2(対応なし)
・ダスト投資オーラ回収よりターン開始。(相手オーラ4)
・掌(フレア3)種3、棹穿ち2/2(2→間合い)
・空閃3/2、打擲3/2、可能性の枝展開(フレア3)納2種1
・相手ターン開始時、可能性の枝5/2(4/1に+1/+1バフ)
ここまででリーサルラインは開始ターンオーラ5の状態からライフ6です。
手札が1枚余っていて、集中すら使っていません。
フレアが6必要ですが、足りない場合は集中、手札を使って宿して始めることができます。
つまり相手の対応がない場合はオーラ5の上からライフ6点を削れます。
とはいえ現代ふるよに。対応が無いことはほぼありません。
軽く対応のいなし方についても説明します。
〇四季めぐ、音無等1纏(1軽減)対応
・中盤に開かざるを得ない状況をつくり、開かせる(恫喝を-/1で使用、鳳仙花納1種1、打擲3/2を使用する等)。
相手が対応せず我慢した場合、ライフをある程度削ることに成功しているということなので、リーサルが早まります。
・フレア回収して切り札対応しづらい状況をつくる。
通常札の対応がある場合はあまり利きません。
・上記リーサルの動きの掌を種5にして2~3ターン使ってリーサルを取る。
この場合は棹穿ちを使用せず、離脱→葦納1から空閃4/3当ててエンドします。棹穿ちは対応2/2で使用しましょう。
〇算法、誘導等1ステップ対応
・空閃の間合いが4-8と広いため、打擲は避けられる前提でリーサルを取る。
相手は打擲を避けたいため、恫喝、空閃は当たります。鳳仙花を間合い4でおくとこれも当たります。しかし打擲が当たらないためリーサル打点がライフ2点分減ります。当たるように間合い調整出来たら勝ち。
〇切り払い、雅打ち等打ち消し対応
・間合い5でリーサルスタート
上記打消しは間合い1~4(2~4)でないと対応できないので対応範囲外で攻撃しましょう。
〇防壁、久遠の花等対応
・諦める
諦めは肝心です。相手はこちらの一番嫌なタイミングで打ち消しをしてきます。棹穿ちでスタートすると棹穿ちを止められ、葦でスタートすると最初の空閃または打擲を止められます。お手上げです。許せません。
…冗談です。毎ターン完全打ち消しはできないので、おとなしく掌を種5で置き、チクチク大ダメージを与えていきましょう。
リーサルでライフを6点取れるため、序中盤ではライフを4点削れば上々です。どう削るかですが、
①遠間合いで遅延して再構成2~3回
②恫喝1回
③空閃打擲鳳仙花を同時打ち
④ライフ回収
この①~④を順当にこなせばおおよそライフが取れています。
つまり、
「ゲーム展開をゆっくりにして、再構成は2~3回、手札を準備してリーサル」
までが、棹算のゲームプランとなります。
<このデッキの良さとポイント>
・オーラ回収から動くことで、相手のオーラが4の状態からリーサルターンに入れる。1纏いや1軽減対応がない相手であれば棹穿ち2/2から打擲3/2空閃3/2可能性の枝5/2でオーラ5の上から(オーラ回収込みで)ライフ6点を削ることができるので、リーサルラインが高いといえる。
・直接金融を使用した返しのターンは相手のオーラが心許ない状態から隙を割るために攻撃してくる。相手の集中・手札状況を見ながら対応棹穿ちを使用すると基本行動を1つ阻害することができ、返しのリーサルを取ることが現実的となる。
・遠距離、近距離ともに「直接金融」というとりあえず使用できるカードのおかげで暇つぶし兼妨害兼リソース回復ができる
・他の算のデッキのように御明算を何度も投資回収しないので、フレア1で開きさえすればリーサルターンまで存在を忘れていても順当に戦える
<入れ替え案>
入れ替え元:「恫喝」「棹穿ち」
入れ替え先:「算盤玉」「殻打ち」
おわりに/スペシャルサンクス/参考・関連文献リンク
メグミ寄せ棹算の紹介、いかがだったでしょうか。
今回紹介したデッキは、1巡目が先手後手ともに固定されていますが、この通りに動くと(相手にはよりますが)結構イヤな顔をしてくれます。
アキナがサポートに回り、メグミでしっかり勝てるデッキです。
ぜひ一度、使ってみてください!
<スペシャルサンクス>
この記事は、会長さんと共同で執筆をしました。
この場にて感謝を申し上げます。ありがとうございます。
<参考・関連文献リンク>
・【ふるよに】無限シナジー棹算盤【デッキ紹介】(テトまるさん S8)